●知に働けば角が立つ
読み(ひらがな)ちに はたらけば かどがたつ。 |
意味理屈にこだわって行動していると、人との関係が悪くなってしまう、ということ。 |
解説「角が立つ」というのは、とがったものが表面につきだしていることをたとえにして、 他人とのつき合いが丸くおさまらないことを意味しているようです。 このことわざは、夏目漱石の小説「草枕」の冒頭の一説です。この後に、 「情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」と続きます。 「情に掉させば流される」の意味は、水の上に浮いた船をたとえにしていると思います。 水を人情として、船を自分とした時、棹を人情の中にさせば、人情という流れにそって 自分も動いてしまう、ということだと思います。 そして、主人公は、住みにくい世の中を少しの時間でもいいから、住みよくするために 芸術があると言っています。 |
重要語の意味知=「ち」と読み、物事を論理的に見て判断する働き。理屈。 働く=「はたらく」と読み、仕事をする。行動する。 角=「かど」と読み、とがった部分。他人とのつきあいがうまくいかないこと。 立つ=「たつ」と読み、とがった部分が表面につき出る。 理屈=「りくつ」と読み、論理的に正しいこと。道理。 こだわる=そのことだけにかたよる。 行動=「こうどう」と読み、考えていることなどを行うこと。 関係=「かんけい」と読み、2つ以上のものがかかわり合うこと。 夏目漱石=「なつめそうせき」と読み、明治時代の小説家、英文学者。東大英文学科を卒業。 「吾輩は猫である」、「坊ちゃん」などの小説を残した近代文学の巨匠。[1867-1916]。 草枕=「くさまくら」と読み、漱石の初期の小説。青年画家と那美という女性との交流を描いたもの。 情=「じょう」と読み、人情。他人を思いやる心。 棹=「さお」と読み、細長い棒状のもの。船を動かす棒。 流れる=「ながれる」と読み、ものが移動する。別の場所へ動く。 意地=「いじ」と読み、思っていること。 通す=「とおす」と読み、抵抗を押しのけて進める。 窮屈=「きゅうくつ」と読み、ふんいきがかたくるしいようす。 主人公=「しゅじんこう」と読み、小説に出てくる青年画家。 芸術=「げいじゅつ」と読み、詩。画。音楽。彫刻。 |
いわれ(歴史)と重要度草枕。 重要度=☆☆☆ 難易度=ふつう |
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