●仁者は山を楽しむ

読み(ひらがな)

じんしゃは やまをたのしむ。

意味

仁徳を身につけた人は、心が穏やかなため、静かで動かない山を好むということ。

解説

他人を思いやるような性格の人は、心が静かで落ち着いているため、静かな山を好ましく感じる、ということのようです。 心の中がさわがしくない穏やかな人は、自分を取り囲むまわりの世界も、同じように静かで動かないものを求めようとするのだと思います。 なぜ、仁者の心が、穏やかで静かなのかは、よく分かりませんが、仁者の心の中のようすを山にたとえた言葉ではないかと思います。 余談になりますが、日本の歴史上、山深い所に入っていった人たちの多くは、名を残した僧侶であり、最澄、空海、道元、日蓮などをあげることができると思います。

重要語の意味

仁者=「じんしゃ」と読み、仁徳を身につけた人。儒教の仁をきわめ道徳を完成している人。  山=「やま」と読み、平地よりも高くなっていて人があまり住んでいない静かなところ。清らかな場所と考えられていたので信仰の対象になっていた。  楽しむ=「たのしむ」と読み、ここちよく感じる。好ましいものであると思う。  仁徳=「じんとく」と読み、他の人を思いやる気質。欲がなく徳のある人。  穏やか=「おだやか」と読み、さわがしくなく静かで安らかなようす。  静か=「しずか」と読み、心などが落ち着いて穏やかなようす。さわがしくないようす。  性格=「せいかく」と読み、人の意志や感情にあらわれる方向性。  落ち着く=「おちつく」と読み、心が安定し静かになる。  好ましい=「このましい」と読み、ものごとが自分の気持ちにあっていて好きである。  取り囲む=「とりかこむ」と読み、まわり全部にあるようす。  仁=「じん」と読み、生まれながらに持っている他人をいつくしむこころ。  余談=「よだん」と読み、主な説明からはずれた話。  最澄=「さいちょう」と読み、日本天台宗の開祖。比叡山に延暦寺を建立。[767-822]   空海=「くうかい」と読み、真言宗の開祖。高野山に金剛峯寺を建立。[774-835]   道元=「どうげん」と読み、日本曹洞宗の開祖。越前(福井県)の山深い地に永平寺を開く。[1200-1253]   日蓮=「にちれん」と読み、日蓮宗の開祖。身延山に草庵を構える。[1222-1282]  

いわれ(歴史)と重要度

論語・雍也(ようや)二三。    重要度=☆☆☆    難易度=ふつう

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