●一水四見

読み(ひらがな)

いっすい しけん

意味

同じ水であっても、住む場所の違いによって、見方が異なるということ。

解説

この考え方は、唯識から生まれたもので、次のように説明されています。 「天人が水を見れば青い宝石と思い、人が水を見れば水と思い、 獄卒が水を見れば膿と思い、魚が水を見れば住むところと思う。」 ということです、4つの住所とは、@天上、A地上、B地獄、C水の中、です。 それぞれの住所の違いによって異なった見解をすることを示した言葉で、 「人人唯識」とほぼ同じ意味です。 人人唯識は、その人が住む独自の世界での見方しかできないことを示していますので、 「一水四見」と似ています。同じ物を見ても、その物に対して、四人の異なった見解が あるということです。他の人が知っている事でも、自分が、その事を知らなければ、 他の人と同じ見解を持つことはできません。このような見解の相違は日常の生活の中でも 起きていると思います。

重要語の意味

一水=「いっすい」と読み、ひとつの水の集まり。同じ水。  四見=「しけん」と読み、四つの異なった見方。  水=みず。地球上に多くあるもの。  見=みる。みとめる。かんがえ。  違い=「ちがい」と読み、ちがうこと。異なること。  見方=「みかた」と読み、物事に対する考え方。解釈のしかた。見解。  異なる=「ことなる」と読み、ちがう。同じでない。  唯識=「ゆいしき」と読み、大乗仏教の考え方のひとつで四世紀頃にまとめられた教え。 心が作り出すものがすべてであるとする考え方。  天人=「てんにん」と読み、天上界に住むと考えられている者。  青い宝石=「あおいほうせき」と読み、天上界から見ると地球は瑠璃色の玉に見えるから。  獄卒=「ごくそつ」と読み、地獄で亡者を責め立てる鬼。  膿=「うみ」と読み、傷などから出る黄色の水のようなもの。  住所=「じゅうしょ」と読み、住んでいる場所。  見解=「けんかい」と読み、ある物に対して起こる考え方など。  人人唯識=「にんにんゆいしき」と読み、それぞれの人が独自の世界観を持って生活していることを示した言葉。  独自=「どくじ」と読み、他とは違ってその人だけが持っているようす。  相違=「そうい」と読み、たがいに異なっていること。同じでないこと。 

いわれ(歴史)と重要度

温故要略(おんこようりゃく)。  唯識。   重要度=☆    難易度=むずかしい。   熟語分類=仏教

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一水四見


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