●懺悔滅罪

読み(ひらがな)

さんげ めつざい

意味

自分の愚かさと罪の深さに気づくことが懺悔につながり、 やがて悪業が軽くなっていくことを示した修証義の第二章の名称。

解説

仏の視点から見ると、凡夫は自分の罪深さに気づけないという大きな過ちがあります。 凡夫が、その罪深さに心底、気づいた時、懺悔する心が生まれ、仏に懺悔することによって、 浄信と精進がめばえ、やがて仏法への道が開かれるのだと思います。 以下に修証義の中に出てくる懺悔文を示しておきます。
「我れ昔より造りし所の諸々の悪業は、みな無始の貪瞋癡による身口意より生ずる所なり、 一切を我れ今みな懺悔したてまつる。」
現代語訳=私が昔より造ってきた、さまざまな悪い行いは、すべて、はるか遠い過去から 積もり積もった貪りと怒りと愚かさによる体と口と心が起こした結果です。これら一切を 今、私は罪咎として認め反省をします。
懺悔は仏法への入り口であり、懺悔することによって仏心に近づくことができるのだと思います。

重要語の意味

懺悔=「さんげ」と読み、過去の罪を悔い改めること。仏前に自分の過ちを告知すること。  滅罪=「めつざい」と読み、罪が消えること。罪が軽くなること。  懺=くいる。あやまちをはじる。  悔=とがめ。くいる。自分の失敗にこりる。  滅=ほろびる。きえる。  罪=つみ。あやまち。とが。わざわい。  罪=「つみ」と読み、仏教に反する悪い行い。してはならない行い。  悪業=「あくごう」と読み、悪い行い。例えば殺生、偸盗、邪淫、妄語など。悪いカルマ。  修証義=「しゅしょうぎ」と読み、禅宗の曹洞宗で読まれるお経。明治時代に道元禅師の正法源藏 より作られた新しいお経。五章から成る。  凡夫=「ぼんぷ」と読み、仏教を信ずることができない人。  心底=「しんそこ」と読み、心の底。  浄信=「じょうしん」と読み、うそのない真の信心。きよらかな信心。  精進=「しょうじん」と読み、つとめはげむこと。悪を断じ善を起こす努力。  仏法=「ぶっぽう」と読み、仏の教え。仏教。仏の教えの世界。  懺悔文=「さんげもん」と読み、仏教の各宗派で唱えられる懺悔に関する短い文章。華厳経・普賢行願品の偈。  無始=「むし」と読み、考えても分からないような遠い過去。生命が起源した頃の遠い過去。  貪瞋癡=「とんじんち」と読み、根本煩悩。三毒。むさぼりといかりとおろかさ。  身口意=「しんくい」と読み、からだとくちとこころ。行為と言葉と思いや考え。三業。  罪咎=「つみとが」と読み、つみとあやまち。  仏心=「ぶっしん」と読み、仏の心。仏性。智慧と慈悲の心。  反省=「はんせい」と読み、自分の言動を振り返って仏法に従っているかを考えること。  道元禅師=「どうげんぜんじ」と読み、日本曹洞宗の開祖。中国で禅の教えを学び帰国後、 正法眼蔵などの書物を残し永平寺を開創した鎌倉時代の禅僧。只管打坐の禅風を広めた。[1200-1253]。 

いわれ(歴史)と重要度

修証義・第二章。   重要度=☆       難易度=むずかしい。   熟語分類=仏教。

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懺悔滅罪


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