●潜在意識
読み(ひらがな)せんざい いしき |
意味意識として、はっきりと認めることはできないが、行動や考え方に影響を与える意識。 |
解説無意識とも言います。また、通常の心の状態では、意識されることのない意識なので、 非常に分かりづらい考え方です。 私たちが、日常生活している時に自覚しているものに、意識と五つの感覚があります。 意識とは、心で思ったり感情を持った時にあらわれるものです。五つの感覚とは、 @視覚、A聴覚、B味覚、C臭覚、D触覚です。これらはすべて顕在意識になります。 これに対して、潜在意識の特徴は、言語化されることがなく、一瞬生まれ、すぐに 忘れ去られてしまう意識であり、途切れることなく断片的思考が繰り返し起こっている 活動だと思います。言葉は、意識を整えるのにとても都合のよい道具であり、言語化 された意識は、潜在意識の中の氷山の一角に過ぎないものと思います。つまり、 言葉にすると意識は、さらに明確化されるということです。 潜在意識は、通常の意識状態では、知ることが難しいので、座禅や瞑想によって、その存在を 明らかにすることができると思います。ヨーガの修行者が説いた唯識という学説では、 顕在化している六つの意識をコントロールしているものとして、未那識という潜在意識を 立てています。また、未那識を成り立たせている、さらに深い心を阿頼耶識と呼んでいます。 潜在意識という言葉は、19世紀末に、フロイトによって精神分析の中で提唱された考え方ですが、 仏教では、1600年も前から、唯識の中で、「不可知」なるものとして説かれた考え方でもあります。 |
重要語の意味潜在=「せんざい」と読み、はっきりと外にあらわれず内側にひそんでいること。 意識=「いしき」と読み、外にあるものや感覚や気持ちに気づいていること。 潜=ひそむ。かくれる。もぐる。 在=ある。生きている。 意=こころ。おもい。かんがえ。 識=知る。意味をおぼえる。 認める=「みとめる」と読み、そこにあるということがわかる。 行動=「こうどう」と読み、意志にもとづいて体を動かすこと。 考え方=「かんがえかた」と読み、考える方法。思考のかたより。思考のくせ。思考パターン。 影響=「えいきょう」と読み、ひとつのものの働きが他のものに変化を与えること。 自覚=「じかく」と読み、自分で思ったり感じたりすること。 視覚=「しかく」と読み、物を見て感じ取るはたらき。 聴覚=「ちょうかく」と読み、音を聞いて感じ取るはたらき。 味覚=「みかく」と読み、食べ物の味を感じ取るはたらき。 臭覚=「しゅうかく」と読み、においを感じ取るはたらき。 触覚=「しょっかく」と読み、物にさわったり体を動かした時に皮膚や体が感じ取るはたらき。 顕在=「けんざい」と読み、はっきりとしているもの。 言語化=「げんごか」と読み、心の中でひとりごとのようにつぶやくこと。 断片的思考=「だんぺんてきしこう」と読み、とりとめのない切れ切れな思考。 氷山の一角=「ひょうざんのいっかく」と読み、たくさんあるうちのほんの一部分のたとえ。 ヨーガ=精神統一を目的にした古代インドの修行法。ヨガ。瑜伽。 唯識=「ゆいしき」と読み、すべてのものごとは、心によって生じるという大乗仏教の考え方。唯心。 未那識=「まなしき」と読み、とどまることなく強く自己に執着し続ける思考活動。 阿頼耶識=「あらやしき」と読み、未那識を成り立たせる大本の心。一切の種子となるもの。 フロイト=オーストリアの精神医学者。主著に「夢判断」、「精神分析入門」がある。[1856-1939]。 精神分析=「せいしんぶんせき」と読み、神経症の原因と治療法に関する理論。 不可知=「ふかち」と読み、知ることができない。 |
いわれ(歴史)と重要度フロイトが説いた考え方。 唯識の不可知なるもの。 重要度=☆ 難易度=むずかしい。 |
スポンサードリンク