●本地垂迹

読み(ひらがな)

ほんち すいじゃく

意味

日本の神は、本地である仏が、神として垂迹したものである、ということ。

解説

日本の神様は、仏の本体である法身が姿を変えたものであり、人々を救うために 仏が神としてこの世界に、さまざまな姿となってあらわれたものである、ということのようです。 神を信仰する日本にとっては、外から来た異国の宗教は、対立するものであったため、 それを受け入れ妥協するために考え出されたものではないかと思います。 日本は、もともと神様をまつる国でしたが、六世紀ごろ、仏教が朝鮮半島から入ってきました。 仏教を受け入れるかどうかで争いまで起こし、結局、仏教は受け入れられ、国の宗教として栄えましたが、 七世紀の後半に、天皇の祖先である神に敬意をあらわす目的で、神と仏は、同じ立場にあるとする考え方が 生まれ、神と仏が融合することになりました。このことを「神仏習合」と言います。神仏習合を正当化するために 作り出されたのが、本地垂迹という考え方ではないかと思います。この言葉は、日本の歴史を仏教と神道の立場で 考察すると、さらに理解が深まると思います。

重要語の意味

本地=「ほんち」と読み、本来のあり方。仏の本体。法身。仏と菩薩。本来の大地。  垂迹=「すいじゃく」と読み、仏と菩薩が衆生を救うために仮の姿でこの世にあらわれること。あとをのこす。  本=もと。ただしい。  地=大地。つち。本性。  垂=たれる。のこす。あらわす。  迹=あと。あしあと。  神=「かみ」と読み、神道の対象となるもの。  仏=「ほとけ」と読み、仏教信仰の対象となるもの。  法身=「ほっしん」と読み、永遠の真理としての仏。真理の身体。  対立=「たいりつ」と読み、2つのちがう立場のものが一緒にあること。  妥協=「だきょう」と読み、対立していたものが相手の立場を受け入れること。  敬意=「けいい」と読み、尊敬の気持ち。相手をうやまう気持ち。  融合=「ゆうごう」と読み、とけあうこと。  神道=「しんとう」と読み、日本に古くからある民俗信仰で、いろいろな神をまつる宗教。かんながらのみち。  仏教=「ぶっきょう」と読み、紀元前5世紀ごろインドの釈迦がひろめた宗教。苦しみを解決する方法が説かれた教え。 

いわれ(歴史)と重要度

神仏習合を発展させた考え方。     重要度=☆☆     難易度=むずかしい

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本地垂迹