●ダルマ

読みと(出版社)

だるま。     (講談社)。

紹介と感想など

だるまさんというと、丸くて赤いだるまを思い浮かべる人が多いと思いますが、その福ダルマも 含め、だるまさんに関することが分かる本です。だるまさんの弟子が残してくれた禅の考え方として 「ダルマの思想」という題名をつけ、これを中心に、だるまに関する歴史なども載っています。 「ダルマの思想」の中心となるテキストは、20世紀初めに、中国の敦煌(とんこう)の石窟寺 から見つかった、たくさんのお経の中の一つのようです。これらの仏典は、3世紀ごろから11世紀 ごろまでの記録で、この中に、初期の禅に関する仏典が見つかっているようです。著者は、禅の研究を していた方で、これらの中の、禅に関する内容の本を日本語に訳し、この本にまとめ、 著者の考えなども加えて解説をつけ、書き上げられています。仏教用語が少し多く出てきますが、 現代語に訳されていますから比較的分かりやすく、仏教に関心のある方なら誰でも読めると思います。 この本には、新しい発見が多くあり、仏教の流れのようなものを知ることができ、 とてもいい本にめぐり合えたと、感謝しています。 現在、この本は再版予定がないようですが、アマゾンには、古本が、たくさんあるようです。   [総ページ数=441]

印象に残った言葉

起き上がり小法師。    福ダルマ。    聖徳太子。    南岳恵思。    大津絵。    最澄。    永寧寺。    胡僧ダルマ。    ニ入四行論。    壁観。    捨妄帰真。    報怨行。    随縁行。    無所求行。    称法行。    仏と鬼。    道とは何か。    鬼魅。    奸巧。    奸偽。   

著者の紹介

柳田聖山(やなぎだせいざん)[1922-2006]
滋賀県の禅寺に生まれ、禅の研究の第一人者として有名な方のようです。 京都大学名誉教授、花園大学国際禅学研究所所員などを務め、 1991年紫綬褒章、1996年勲三等瑞宝章を受章しています。 2006年11月8日逝去。

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