●怨みに報ゆるに徳を以てす

読み(ひらがな)

うらみに むくゆるに とくをもってす。

意味

ひどい目にあって怨みを抱くような相手であっても、仕返しをするのではなく、 許しの心で、あたたかく接するべきである、ということ。

解説

怒りの感情というものは、多くの場合、ささいなことが原因で起こるものです。 たとえ憎いと思っても、できるだけ相手を許し、逆に恩恵を与えるような気持で 接するべきである、ということのようですが、なかなか難しいこととは思います。 このことわざは、老子の言葉ですが、論語の中にも書かれているようですから、中国では、 かなり古くからあった言葉のようです。また、この句は、「仇は恩で報ぜよ(あだはおんでほうぜよ)」、 とも、「怨みは恩で報ぜよ(うらみはおんでほうぜよ)」とも言います。

重要語の意味

怨み=「うらみ」と読み、怒りや憎しみの感情が長く続くこと。怒りや憎しみは 相手の行動を受け自分の思いどおりにならなかった為、他人を嫌ったりすることが原因で起こる。  報ゆる=「むくゆる」と読み、報いる。他人から受けたことなどに対して、お返しをする。  徳=「とく」と読み、人に恩恵を与える。  以てす=「もってす」と読み、、、、、によってする。  仕返し=「しかえし」と読み、復讐(ふくしゅう)。ひどい目にあった相手に対して同じようにひどいことをすること。報復。  ささいなこと=わずかなこと。十分でないこと。  恩恵=「おんけい」と読み、幸せや利益になるもの。めぐみ。 

いわれ(歴史)と重要度

老子・六三。  論語・憲問篇(けんもんへん)三六。    重要度=☆☆☆   

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怨み
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【道教の老子】