●爾に出ずるものは爾に反る

読み(ひらがな)

なんじに いずるものは なんじに かえる。

意味

自分のやったことの報いは、必ず自分の禍福となって戻ってくる、ということ。

解説

自分のしたことは、必ず、自分の幸せや不幸せとして、自分のもとへかえってくる、ということのようです。 私がやったこと、口でしゃべったこと、心の中で思ったことは、やがて、私のところへ、よいことや悪いこと として必ず、もどってくる、ということで、自分の欲だけに生きるのではなく、他人への思いやりの気持ちも 大切にしましょう、という教えだと思います。このことわざは、儒教の言葉ですが、仏教にも同じような意味の 「自業自得」、「因果応報」があります。 善い事をすれば幸せが自分のところへ戻り、悪い事をすれば不幸が自分のところへ戻ってくるということです。

重要語の意味

爾=「なんじ」と読み、おまえ。あなた。年の若い人や親しい人を呼ぶ時の言い方。  出ずる=「いずる」と読み、でていく。身体から出るものは行為、口から出るものは言葉。  反る=「かえる」と読み、かえる。もとの人のところへもどる。  自分=「じぶん」と読み、何かをする時のその人。おのれ。わたし。  報い=「むくい」と読み、善い事をしたり悪い事をした時、その結果として自分が受けるもの。  必ず=「かならず」と読み、まちがいなく。  禍福=「かふく」と読み、わざわいとしあわせ。不幸と幸せ。  戻る=「もどる」と読み、もとのところへかえる。  もの=者。ところ。  儒教=「じゅきょう」と読み、孔子が説いた仁を基本にした教え。後継者として孟子、荀子がいる。  仏教=「ぶっきょう」と読み、釈迦が説いた教え。この世を苦しみと見て正しい実践によってそこから逃れようとする教え。  自業自得=「じごうじとく」と読み、自分の業の結果を自分が受けること。  因果応報=「いんがおうほう」と読み、報いが返ってくるのには明らかな原因があるということ。 

いわれ(歴史)と重要度

孟子(もうし)・梁恵王(りょうけいおう)下の十二。   重要度=☆☆☆     難易度=ふつう

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