●盛者必衰

読み(ひらがな)

じょうしゃ ひっすい

意味

勢いが盛んな者であっても、必ず衰え滅びる時がやってくる、ということ。

解説

仏教の無常観を言ったことばで、この世が固定されたものではなく、 常に移り変わっているということを意味しているようです。 平家物語の最初に出てくる言葉として有名なものです。 平家物語では、お釈迦さん自身が死をもって、この真理を示したという内容を 語っているようです。

重要語の意味

盛者=「じょうしゃ」と読み、勢いが盛んな者。「しょうじゃ」とも読む。  必衰=「ひっすい」と読み、必ず衰えること。  衰える=弱くなる。  仁王経=「にんのうきょう」と読み、偽経とも考えられるようだが、国を守るため仏教の 信者になった王の因縁が説かれた経。正式には「仁王護国般若波羅蜜多経」という。  平家物語=「へいけものがたり」と読み、平家の繁栄と滅亡を描いた鎮魂軍記物語。 平曲として琵琶法師によって語られ広まった。 

いわれ(歴史)と重要度

仁王経(にんのうきょう)。 平家物語。   重要度=☆☆☆

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平家物語・祇園精舎

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、 盛者必衰の理をあらはす。おごれる者久しからず、ただ春の夜の 夢のごとし。猛き人もつひには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。

【解釈】

お釈迦さんが説法していたお寺、祇園精舎の鐘の音の響きは、 この世界が定まったものでなく、常に移り変わった世界である ということを知らせようとして響いている。 また、お釈迦さんが、最後を迎えた沙羅の2つの木の花の色は、 勢いのある者は必ず滅びるという真理を示しているのである。 有名になったと思い上がった者は、長く有名であるはずはない、 ちょうど春の夜の短い夢のように。武勇に優れている者でも、 いずれは滅びるであろう、一度だけ風の前で吹き飛ぶ塵のように。

盛者必衰

【平家物語】