●仏教の本
ことわざが含まれる仏教に関する書物の一覧です。 概要には本の簡単な解説が、例句には、その書物に該当することわざを載せています。仏教では、 ことわざが含まれる項目は少ないようですが、鎌倉時代の琵琶法師が語る平家物語は、後の能や狂言、 浄瑠璃などに大きな影響を与えているようです。 仏教とは、紀元前500年頃、インドの釈迦を祖とする教えで、日本には、聖徳太子以来、長い間、根強く、 社会や文化に、さまざまな影響を与え、江戸時代には、国家の宗教となりましたが、明治維新に、王政復古が宣言され、 神仏分離政策の影響下、廃仏毀釈運動により、国家宗教としての勢いは衰退したようです。
法句経 | |
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概要 | お釈迦さんが語った言葉を短い詩として集めたもので、お釈迦さんの 考え方などを知る為の書。最も古いものであり、最もお釈迦さんの教えに 近いものと考えられている。仏教の入門書であり、根本となる仏教の法が多く納められている書物。 |
例句 | 森羅万象。 諸行無常。 諸法無我。 因果応報。 泡沫夢幻。 涅槃寂静。 |
涅槃経 ( 遺教経 ) | |
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概要 | お釈迦さんが亡くなる時のことを、詳しく書いた書。最後の説法 (悟りを開くための方法などを説く事)の旅の中で、お釈迦さんが語った 内容が載っている。 |
例句 | 諸行無常。 水に絵を描く。 凡聖一如。 会者定離。 |
法華経 | |
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概要 | 大乗経典として最も普及したもの。主に宇宙の統一的真理としての妙法と お釈迦さんが永遠の仏であることを示す久遠仏を説く。また、 法華経には、開経(無量義経)と、結経(観普賢菩薩行法経)がある。 このお経は、お釈迦さん直説の教えでなく後代の人が創作した経典。 |
例句 | 会うは別れの始め。 渡りに船。 縁なき衆生は度し難し。 少欲知足。 四苦八苦。 獅子奮迅。 六根清浄。 不惜身命。 三界の火宅。 念念生滅。 採菓汲水。 五濁悪世。 怨憎会苦。 |
景徳伝灯録 | |
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概要 | ダルマが始めた禅に関する書物。禅に関する語録をまとめたもので、 後の禅の教えに、大きな影響を与えた書。 |
例句 | 以心伝心。 千差万別。 子を持って知る親の恩。 心の病は医し難し。 不立文字。 |
平家物語 | |
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概要 | 平家の繁栄とその滅亡を描いた、仏教的要素の強い物語。仏教の僧侶である盲目の 琵琶法師によって語られ、後の能の謡曲や浄瑠璃などに大きな影響を与えた。 |
例句 | 諸行無常。 盛者必衰。 良薬は口に苦し。 住めば都。 類は友を呼ぶ。 天に口なし人を以て言わしむ。 地獄で仏。 驕る平家は久しからず。 喧嘩過ぎての棒乳切り。 移れば変わる世の習い。 |
お釈迦さんの悟りは不立文字
仏教は、お釈迦さんが悟った真理に関する教えですが、言葉や文字に表すことが難しいため、 師から直接、弟子に伝わるもので、当時は、出家信者主体の教えでしたが、誰もが救済されるべきと 考えられ、やがて、分かりやすく解説されたものが、大乗経典などの、お経ではないかと考えられます。 お釈迦さんが、文字を一切残さなかった理由も、そこにあるのではないかと考えられます。