●多岐亡羊

読み(ひらがな)

たき ぼうよう

意味

学問の道がたくさんあるため、真理を得ることの難しさをたとえたことば。 また、方針がいろいろあって、どれを選んだらいいのか迷い、いろいろと考えてしまうことのたとえ。

解説

真理を説く学問には、たくさんの考え方があるので、あまり細かいことばかりを追究し続けると、 大きな真理には到達できない、ということのようです。この四字熟語には次のような故事があるようです。 「昔、ある賢人の家の近くで羊が逃げたので、その賢人の家の使用人にも手伝ってもらい羊をさがしたが、 道がいくつにも分かれているため、どっちへ逃げたのか分からなくなってしまった。これを聞いた賢人は、 羊が逃げてしまったことを嘆いた。」という故事。 学問も、これと同じように、分かれ道である小さな道に入り込んでしまうと、大きな道に通じる真理には行き着かない、 ということではないかと思います。

重要語の意味

多岐=「たき」と読み、@道がたくさんに分かれていること。Aひとつの事がいろいろに分かれていること。  亡羊=「ぼうよう」と読み、逃げたため失ったひつじ。  多=おおい。たくさん。  岐=えだみち。わかれみち。  亡=にげる。うしなう。  羊=ひつじ。  学問の道=「がくもんのみち」と読み、真理を学ぶ為の方法やおしえ。  真理=「しんり」と読み、@正しい道理。A普遍的な事実。  追究=「ついきゅう」と読み、物事を深く明らかにすること。  到達=「とうたつ」と読み、学んだりして目標とする状態にたどりつくこと。  方針=「ほうしん」と読み、これから先どのように行動するかの考え方や方法など。  賢人=「けんじん」と読み、知識があり賢い人。道家の思想家、楊朱(ようしゅ)。  嘆く=「なげく」と読み、ひどく悲しむ。 

いわれ(歴史)と重要度

列子(れっし)・節符(せっぷ)。   重要度=☆☆☆

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多岐亡羊


【道教の列子】