●涅槃寂静
読み(ひらがな)ねはん じゃくじょう |
意味悟りの心が、そのまま静かで安らぎの世界である、ということ。 |
解説仏教の基本である三法印のひとつです。煩悩の心の働きが完全に消えることによって、心の静けさが生まれ、 その静けさが、そのまま穏やかで楽しい世界である、ということのようです。煩悩としての3つの毒、貪欲、 瞋恚、愚癡の炎が完全に消えてしまうことを涅槃と言うようです。この言葉は、お釈迦さんが悟りにいたった 心の様子を示したもので、私たち凡夫には、とても難しい言葉です。お釈迦さんは、自分自身の体と心を徹底的に 観察し続け、五蘊という心の変化を知り、根本的な煩悩である、むさぼりと、いかりと、おろかさが、五蘊によって、 どのように生まれるのかを知りつくし、そのことによって、3つの煩悩(貪瞋癡)を完全に滅して、悟りの境地に いたったのだと思います。「涅槃」という言葉は、重要な意味が含まれているためか、初期の仏教や後の大乗仏教など、 殆ど全てのお経にのっていて、また、この言葉は、漢字に訳された時、その重要性からか意味を訳さないで、そのまま 古いインドの言葉の響きを使って「ネハン」としたため、特に漢字の意味するところはないようです。 初期仏教によって伝えられた内容によりますと、お釈迦さんが、お弟子さんへ伝えた説法では、 涅槃にいたる方法として、八正道を説いています。 |
重要語の意味涅槃=「ねはん」と読み、古代インド語の響きをまねしたもの。「ないおん」とも言う。 悟りの境地。ニルバーナ。寂滅、無為などさまざまな言い方がある。 寂静=「じゃくじょう」と読み、心の中が静まり乱れないこと。悟りの境地。安らぎの世界。 寂滅とも言う。 涅=くろつち。くろ。 槃=たらい。小さなさら。 寂=しずか。ひっそりしている。 静=しずまる。止まって動かない。やすらか。 悟り=「さとり」と読み、悟ること。真理を知ること。あるがままに物事を見ることのできる心の状態。 三法印=「さんぼういん」と読み、仏教の真理をあらわした3つの言葉。諸行無常。諸法無我。涅槃寂静。 煩悩=「ぼんのう」と読み、心を乱し悩ませる働き。貪瞋癡。正しい見方ができない心。 貪欲=「とんよく」と読み、繰り返しものを求める心。十二因縁の渇愛がもたらすもの。 瞋恚=「しんい」と読み、十二因縁の渇愛によって起こる貪欲とは反対の心。いかりにくむ心。 愚癡=「ぐち」と読み、仏教の真理を知らないおろかさ。癡。無知。 釈迦=「しゃか」と読み、仏教をインドで最初に説いた人。ブッダ。釈尊。 五蘊=「ごうん」と読み、人の心と体を分析したもの。色受想行識。 凡夫=「ぼんぷ」と読み、煩悩から抜け出すことのできない人。 八正道=「はっしょうどう」と読み、悟りを得るための8つの方法。正見=正しい見方。正思=正しい思い。正語=正しい言葉。 正業=正しい行い。正命=正しい生活。正精進=正しい努力。正念=正しい憶念。正定=正しい三昧。 |
いわれ(歴史)と重要度法句経202から204番。 重要度=☆ 難易度=むずかしい |
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