●韓信の股くぐり

読み(ひらがな)

かんしんの またくぐり。

意味

大志を抱く者は、さまざまな屈辱に耐えなければならない、という教え。

解説

将来に大きな目的を持っている者は、そのたびごと目の当たりにする、いろいろな恥ずかしいことに我慢 しなければならない、ということのようです。このことわざは、次のような中国の言い伝えによります。 「韓信という名をあげた将軍が、若いころ、ごろつきからけんかを売られた時、言われるままに、ごろつきの 股の下をくぐった」という話がもとになっています。つまり、韓信は、ごろつきと争うことの愚かさを避けるため 屈辱に耐えたということです。また、「韓信」と「感心」の2つの音のひびきが似ていることから、人をほめる時に 「感心なことだ」という意味を含め、「感心の股くぐり」と使う場合があるようです。 韓信という武将には、いくつかの故事が残っているようで、 「背水の陣」と「国士無双」は、彼の功績を伝えようとするものです。

重要語の意味

韓信=「かんしん」と読み、中国、前漢にあらわれた武将。前漢の高祖であるりゅうほうに従い天下統一を助けた武将。  股=「また」と読み、2つの足のつけ根の内側。  くぐる=ものの下を通りぬける。  大志=「たいし」と読み、大きな目的。大きなこころざし。  抱く=「いだく」と読み、心の中にもつ。  屈辱=「くつじょく」と読み、相手の力に負けて恥ずかしい思いをすること。  耐える=「たえる」と読み、がまんする。しのびこらえる。  将来=「しょうらい」と読み、ある人のこれから先のこと。未来。  目の当たり=「まのあたり」と読み、目の前。  恥ずかしい=「はずかしい」と読み、自分の立場がなくなりみっともないと感じる。  我慢=「がまん」と読み、心の中にわき起こる悪い感情をおさえること。  将軍=「しょうぐん」と読み、戦いをする大勢の人たちをまとめる大将。  ごろつき=仕事もしないで町の中をうろついて弱い者をいじめたりしている者。乱暴者。ならずもの。  愚かさ=「おろかさ」と読み、知識知性が豊かでないこと。  避ける=「さける」と読み、遠ざかる。はなれる。接しないようにする。  感心=「かんしん」と読み、行動などがほめるべきことであると感じ心を動かされること。  武将=「ぶしょう」と読み、武術にすぐれている大将。 

いわれ(歴史)と重要度

史記・淮陰候(わいいんこう)。    重要度=☆☆☆   難易度=ふつう

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