●能(狂言)と浄瑠璃
ことわざの中でも、最も多く使われているのが、毛吹草(けふきぐさ)で、
次ぎに、近松門左衛門の浄瑠璃が多いようです。
ただし、毛吹草は、日本で昔から伝わった、ことわざを集めて載せているもので、
毛吹草の作者が考え出したものではありません。能や浄瑠璃などにも、その傾向があるようです。
概要には項目の簡単な解説が、例句には、その項目に該当することわざを載せています。
能=日本芸能の一つ。猿楽という古い演劇から発達した歌と踊りを伴う芝居。
浄瑠璃=歌とセリフが伴う語り物の一つ。江戸時代には、人形浄瑠璃として人気が高かった。
世阿弥の能 | |
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概要 | 世阿弥(ぜあみ)とは、室町時代の能役者であり、能の作者でもあった人。 |
例句 | 悪人の友を捨てて善人の敵を招け。 得難きは時、会い難きは友。 初心忘るべからず。 聖人に夢無し。 |
近松門左衛門の浄瑠璃 | |
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概要 | 近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)とは、江戸中期の浄瑠璃と歌舞伎の演劇用の台本を作った人。 |
例句 | 短気は損気。 一寸の虫にも五分の魂。 病は気から。 二の足を踏む。 合縁奇縁。 親は泣き寄り。 |
毛吹草 | |
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概要 | 松江重頼(まつえしげより)が作った俳句の作り方が書いてある書。 日本の古いことわざや、各地の名産品が載っている。 |
例句 | 急がば回れ。 蒔かぬ種は生えぬ。 習うより慣れろ。 石の上にも三年。 |