●儒教の本
ことわざが含まれる儒教に関する書物の一覧です。 概要には本の簡単な解説が、例句には、その書物に該当することわざを載せています。 儒教とは、紀元前500年頃、中国の戦乱直前の革新期に現れた、代表的諸子百家で、 仁のこころを大切にした孔子を師とする教えです。
論語 | |
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概要 | 孔子と、その弟子たちの短いやりとりの言葉の記録。紀元前450年頃からの書。 |
例句 | 人のふり見て我がふり直せ。 温故知新。 我が身を抓って人の痛さを知れ。 過ぎたるは猶及ばざるが如し。 義を見てせざるは勇無きなり。 下問を恥じず。 君子に三戒あり。 天を怨みず人を咎めず。 |
孟子 | |
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概要 | 孔子の後に現れた儒家。人が天から与えられた性を善と考え、その実践方法を解説した書。 紀元前280年頃の書。 |
例句 | 憎まれっ子、世に憚る。 目は心の鏡。 斎戒沐浴。 去る者は追わず来る者は拒まず。 君子に三楽あり。 惻隠の心は仁の端なり。 自暴自棄。 読書尚友。 浩然の気。 |
荀子 | |
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概要 | 孔子の後に現れた儒家。人の性を性悪説と考え、礼を重視して世の乱れを正す方法を考えた書。 紀元前230年頃の書。 |
例句 | 勝って兜の緒を締めよ。 住めば都。 愚を守る。 是是非非。 口耳四寸の学。 |
書経 | |
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概要 | 儒家の政治の考え方が書かれた書。当時の宮廷の史官が王やその弟子の言葉を記録したもの。 紀元前600年頃の書。 |
例句 | 教うるは学ぶの半ば。 習い性と成る。 |
大学・中庸 | |
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概要 | 大学は、礼記の中のひとつ。儒教という学問を最も優れたものとして、君主などが学ばなければ ならいものとした。中庸も礼記のひとつ。宇宙万物の理論で、後の朱子学の基本となった書。 ともに紀元前400年頃の書。 |
例句 | 心ここに在らざれば視れども見えず。 喜怒哀楽。 売り言葉に買い言葉。 我が子の悪事は見えぬ。 思い内にあれば色外に現る。 悪銭身に付かず。 格物致知。 |
易経 | |
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概要 | 中国で最も古い書物。孔子も易を重視したため儒教の本に含まれるようになった。 易は、古代の伝説君主(ふっき、神農)が、諸事象の吉凶を占うことにより、 神の御託宣(神託)をいただくための一つの手段であったと考えられる。 紀元前700年頃の書。 |
例句 | 類を以て集まる。 勝って兜の緒を締めよ。 君子は豹変す。 森羅万象。 一陽来復。 一朝一夕。 虎視眈眈。 窮すれば通ず。 |
春秋左氏伝 | |
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概要 | 春秋という書の注釈書。春秋とは、春秋時代に孔子が生まれ故郷、魯(ろ)の国の記録を書き直した もの。紀元前722年から前480年頃までの記録。 |
例句 | 笑う門には福来る。 恩を仇で返す。 善は急げ。 泥棒の逆恨み。 言葉は身の文。 唇歯輔車。 勧善懲悪。 禍福無門。 大義親を滅す。 |
四書=大学、中庸、論語、孟子。 五経=易経、書経、詩経、礼記、春秋。